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画家

最終話 最後のお仕置き画

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 その日のうちに私の釈放手続きを取って、拘置所まで迎えにきたのは男爵だった。

 警官に殴られた目の周囲が腫れて、あまりよく見えないのだが、男爵は苦笑しているようだった。

「ひどい顔だね。とにかく、うちへ行こうか」

 そのまま私は男爵家に連れて行かれたが、車中の口振りで、男爵が伯爵夫人から事の経緯を聞いていることがわかった。

 私の保釈は伯爵夫人から頼まれたらしい。

 もちろん、私が娘に恋をしていたことは、伯爵夫人も知らないのだから、男爵は知る由もないが。

 男爵家に着くと、奥方が冷やしたタオルを持ってきてくれた。

「ほら、これでも当ててなさい。ただでさえ大したことない顔を、より酷くしてどうするのよ」

「ありがとうございます・・・」

 苦笑して、私はタオルを受け取った。

 男爵家にお仕置き画家として呼ばれなくなって、もう随分経つ。

 今は10年来の友人として、時折、お茶や食事に招待していただいている。

 奥方は年も重ねて落ち着かれたし、帰る場所あっての放蕩ということに気付かれたご様子で、厳しく叱っても追い出すこともせずに、自分を傍に置き続けた男爵の静かな愛情に、今は大変仲睦まじくいらっしゃる。

 まあ・・・。

「これ、どうしてそういう言い方をするんだね、お前は」

 男爵が奥方のお尻をピシャリとやると、彼女はふくれ面でお尻を擦った。

 まあ、私に絵の依頼をするほどの悪さをしなくなっただけだが。

「しかし、君らしくない短慮だったね。いきなり殴りかかるとは」

「はあ、ご迷惑おかけして、申し訳ありません。つい頭に血が上って・・・」

 ふと、私をしげしげと眺めていた奥方と目があった。なんだか、ニヤニヤと意地悪な視線だなぁ・・・。 

「あー、そういうこと。へえー、なるほどねぇ」

 やっぱり。女と言うのは、変なところで勘がいいのだから・・・。

「なんだね」

「この人、伯爵家のお嬢さんが好きなのよ。だから、彼女に悪さをさせた男が、許せなかったんですわ」

 男爵は私よりも困った顔で頭を掻くと、改めて私を見た。

「同じ男として、君の気持はわからなくはないよ」

「あら、では私が伯爵家のお嬢さんのようになったら、あなたも相手に鉄槌を下してくださいますの?」

 ああ、奥さま。それは、藪をつついて蛇を出すというものです・・・。

 案の定、男爵の眉がピクリと震え、奥方は自分の失言に気付いたようだ。

「ほお。お前が遊び仲間と放蕩に耽っていた間、私がどんな思いでいたのかを、知らなかったのかね」

「あ、い、いえ・・・」

「どうもお前は、私にどれだけ心配させてきたのかも、わかっていないようだねぇ」

 じりじりと後ずさる奥方に、私は慌ててタオルをもう一度冷やしてもらえないかと頼んだ。

 いつもなら当然、「何様のつもり!?」とそっぽを向かれる願い事だが、この状況なら、奥方は喜んで引き受けた。

「まったく・・・」

 いそいそとタオルを持って部屋を出ていく奥方を深い吐息で見送った男爵は、改めて私を見ると、私の腫れた指の付け根を手に取った。

「君の大事な商売道具を壊す危険を冒すほど、愛しい人だったのかね?」

 いや・・・淡い恋心だったのも、わかってはいたのだ。

 けれど、成就したいとまでは思わなくとも、憎まれたりもしたくはなかった。

 お仕置き画家として目の前に現われた私を、蔑むように見るあの娘の目は、これから誰を好きになろうと繰り返されるのかと思うと、右手のことなど、どうでもよくなった。

「・・・私は、今、お仕置き画家であることを恥じています。一体、何のために私という画家が存在しているのか、考えると苦しくなるばかりで・・・」

「そうか・・・。私の責任でもあるな。君に最初にその仕事をさせたのは、私だ」

「いえ! いえ・・・違います。昔の貴族と平民ではありません。私は男爵様の仕事を、断れました。けれど、私は引き受けた。そして、今は他家の仕事もこなしています。私が選んだ道です。男爵様の責任ではありません・・・」

 軽蔑され、辛い気持ちになると、男爵の仕事を受けなければとは、幾度も思った。 

 しかし、辿り着くのはいつもその答え。

 私が私で選んで歩いた道なのだ。

「これで・・・他の絵でも食べていけているなら、まだ気持ち的に救われたのかもしれませんが・・・何しろ、お仕置き画以外は尽く・・・」

「ああ・・・以前見せてもらったがね。私は絵に関して素人だし、こんな論評をしていいものかわからないが、言っていいかね?」

「え、あ、はい。できれば、率直に」

「お仕置き画以外の君の絵は、技法にこだわり過ぎているというか・・・手を入れ過ぎている印象を受ける」

「そうでしょうか・・・」

「ああ。気を悪くしたらすまない」

「いえ」

「逆に、君のお仕置き画は、あるがままを、ありのまま描いている。つい、こちらが引きつけられるくらいにね」

 そうかも・・・しれない。

 お仕置き画は、あるがままを描かなければ意味がないように思った。

 叱りつける人の、思いを噛みしめる表情、ただ厳しいだけでない面持ち。お仕置きされる者の、後悔であったり、反省であったり、叱る人への怒りであったり、とりあえずこの時間が過ぎ去るのを待ち侘びる顔であったり・・・。

 そのままを写し取ることに、私は懸命になっていた。

 反して、お仕置き画以外の絵は、より多くの人に見てもらい、感心もされたいし、称賛もされたい。だから、どう描こうかばかりを考えていた。

「あのお仕置き画の数々で見せてくれた絵は、他の絵にも生かせないのだろうか?」

 私はどうしようもなく、絵を描きたくなってきた。

 あの公園でしたスケッチ。

 母親に連れられた、幼い子供。

 日向ぼっこで眠りこける老人。

 仕事で疲れた様子で体を休める若者。

 そして、彼女の中では真実の愛だった、笑顔の伯爵家の娘・・・。

「あの! 今日はありがとうございました。できるなら、せめてものお礼に、男爵様と奥様の肖像を、描かせていただけませんか?」

 男爵は笑顔で頷いて、奥方を呼んだ。

 絵のモデルと聞いた途端、泣きそうになる奥方に苦笑して、ただの肖像画だと説明する。

「ああ、そう。なら、よくってよ」

 泣きそうになった顔を恥ずかしく思ったか、殊更高飛車に、奥方は胸を張ってそう答えた。





 柔らかな笑みを奥方に向ける男爵。

その男爵をはにかんだ微笑みで見上げる奥方。

 ありとあらゆる技法を駆使しても、おそらく、彼らがここまで来る間にあった、彼らだけの歴史は、表現できない。

 彼らだけが知っているそれは、その表情や、互いに自然に向ける仕草だけが垣間見せてくれているのだ。

 私はただそれを描いた。

 どう描くかなど迷わずに、色んな経験を経て、今そこに並んでいるお二人を。

 数日間通って描き上げた肖像画を、お二人はとても喜んでくださった。

 私も嬉しかった。

 絵を描いて楽しいと思ったのは、街に出てきて以来の気がする。

 私はその日以来、ひたすら絵に没頭するようになった。

 来る日も来る日もスケッチに出かけ、市場で働く人を、街角で物憂げに佇む人を、道端で楽しげに話す人を。

 楽しいから描いた。

 とても充実していた。

 お仕置き画も断って、選考に引っ掛かるかどうかもわからない儲けにならない絵に没頭する私は、ただの夢見る子供のようだと、自分でも思った。

 毎晩遅くまで、カンバスに向かった。

 カンバスの前でうたた寝してしまい、ほとんどベッドに潜らず仕舞い。

 そんな日々が続いたある日、「ねえ! ねえ!」と幻聴まで聞こえてきた。

 これはいけない。いささか夢中になり過ぎた。

 休息をとるのも大事かと、テラスに出て思い切り伸びをした時、庭に女性の幻覚まで見えた。

 私はとにかくシャワーを浴びてすっきりして寝ようと決めて、バスルームまで歩き出すと、幻覚の女性が、テラスのガラス戸を開けてくっついてくる。

「ねえ、ねえってば。どうして無視するの?」

 ・・・・・・。

幻覚?

「――――また勝手に上がり込んだのか、君は!」

 あの商家の次女がいたのだった。

「声掛けたじゃない」

 悪びれることなく肩をすくめる次女に、私はため息をついて頭を掻いた。

「あのね。君がいたのは庭だろう? その時点で上がり込んだというんだよ。それに! 家主が「どうぞ」と言って、初めて訪問が成立するんだ」

「堅いわねぇ。いいじゃない、知らない仲じゃないんだし」

「そこまで深い間柄でもない」

「・・・私のお尻まで知ってるくせに」

 な。

「誤解を招く言い回しをしないでくれないか!?」

 恐らく私は顔を赤くしていたのだろう。次女がニヤニヤと笑った。

「いい年して、ウブよね」

「~~~何しに来たんだね。また家出とか言ったら、今度こそお尻をひん剥いて引っ叩くぞ」

 今度は次女がお尻を押さえて頬を赤くした。これでおあいこだ。

「違うわよ! 噂で、アンタが遅咲きの初恋で失恋して、自棄を起こして酒浸りで引き籠ってるって聞いたから、様子を見に来てあげたんじゃない」

「はあ!?」

 どこまで広がっているんだかは知らないが、噂の出所は男爵の奥方に違いない。

 どうして女性はこうお喋りなんだ・・・。

 というか、尾ひれ羽ひれの羽ばたき具合が恐ろしい。

「誰が初恋だ! 私だって田舎には恋人もいたし、街に出てからも裸婦モデルといい仲になったことくらいある!」

 自棄を起こしても酒浸りになっても、ましてや引き籠ってもいないのに、敢えて「初恋」の部分に反論してしまったのは、男のプライドかもしれない。

「あら、そういえば、テレピン臭いけど、酒臭くはないわね」

「酒など飲んでない」

「ああ、酒場で出会った恋だから、思い出すのが辛くて飲めなくなっちゃった?」

「~~~~」

 女性の想像力というのは、どんなクリエーターより豊かなのは認めよう・・・。

 このまま帰したら、この想像が更なる尾ひれとして泳ぎ回ること、間違いなしだな。

「・・・わざわざ様子を見にきてくれてありがとう。気が済むまで様子を見ていただくから・・・」

 私は玄関を指さした。

「訪問からやり直し! 玄関ポーチでチャイムを鳴らし、私が「どうぞ」と言ってから入ってきなさい!」





 不服満面で言われた通りにチャイムを鳴らした次女を、改めて出迎えてリビングで待たせ、私はシャワーを浴びた。

 女性と二人きりでシャワーなど浴びたら、この想像力豊かなお嬢さんに下心を疑われても困るのでそのままでいたのだが、次女があまりに臭い臭いというから、それならと腰を上げたのだ。

 熱いシャワーで頭の中もすっきりしてきた。

 そういえば、食事のオーダーを店員に伝えるか、お仕置き画依頼の電話を断るかだけでしか機能を果たしていなかった声帯を、久々に会話というものに使ったな。

「ねー、知ってるー?」

・・・どうしてこんなに声が近いんだ。リビングで待っていろと言ったのに。

「人の家を勝手に歩き回るな」

「だって退屈なんだもの。ねえ、知ってる? 例の伯爵家のお嬢様ね、もう新しい恋に夢中だってよ」

 私はシャワーを止めて、バスタオルで体を拭った。

「ねー、聞いてるの~?」

 このお嬢さんは・・・私を慰めにきたのか? それとも、傷口に塩を擦り込みにきたのか?

 私は彼女が幸せで良かったなどと思えるほど、度量のある男ではないようで、この報告は少なからずショックだった。

「今度の人は街で出会った売れない画家だって」

 同じ画家ということに、ショックは更に倍増だ。

 しかし、彼女という子は、尽くすのが好きなタイプの女性なのだろうな。

 伯爵家の養女となれば、上流社会の男性と知り合う機会も多かろうに、敢えて生活苦型の男性に惹かれるのだから・・・。

「なんで黙ってるのよー」

 というか・・・。

 私が無言でいることに、ショックを受けているとは察してくれないのか、このお嬢さんは。

「ねえ」

 脱衣場を覗いた次女に仰天して、慌ててバスローブを羽織った。

「こら! こんな所まで入ってくるな!」

「だって・・・」

 何がどう「だって」なんだ?

 さっきまでの快活な表情を一変させ、次女は潤んだ目で私を見上げている。

「私じゃ、ダメなの?」

「はぁ!?」

 引け腰の私に、次女はどんどんと詰め寄ってきて、ついに抱きつくように胸に顔を埋めてきた。

「こら! 何を・・・!」

「好きなの、あなたが・・・」

 頭と自分の男性が混乱した。理性はうろたえ、本能が歓喜しているのがわかる。

「だって、君はあの時、必死で否定していただろう!?」

「まだ自分でも曖昧だったんだもの! でも、あなたが他の人を好きになったって聞いて・・・どうしようもなく苦しくなって・・・盗られたくないって、思って・・・」

 一気に情熱に火がついたというわけか。駆け落ち前科を彷彿とさせる、後先考えない行動の人だ。

次女は背伸びをしたかと思うと、私の口に、柔らかな唇を押しつけてくると、私の手を取り、そっと自分の胸の膨らみまで誘った。

 明らかな誘いに、私は生唾を飲んだ。

 次女の腰に腕を回し、スカートをゆっくりとたくし上げる。そして、甘ったるい吐息を漏らす次女の腰を、勢いよく脇腹まで抱え上げた。

 この姿勢が、望まない事態であることの前触れであることに気付いた次女は、盛大な悲鳴を上げた。

――――ピシャーン!

 これでもかときつい平手を下着の上から一発据える。

「痛いーーー! どうしてよ!」

「どうして? これからたっぷり、お尻に教えてあげるよ」

 私は下着の上から幾度も叩いた後、その下着も下ろして、すでにほんのり色付いたお尻を丸出しににした。

「いやーーー!」

「違う意味でなら、平気だったんだろ?」

 きつめの平手を数発続けてお尻に振るう。

「痛いー! 痛いー! 痛いー!」

「軽々しく男を誘うから、こういう目に合うんだ! もっと自分を大切にしなさい!」

 ありきたりで陳腐な説教だが、大事なことだからこそ、多く使われ、ありきたりで陳腐になっていくのだなと、思い知らされる。

「だって、好きなんだもん! あなたのこと!」

「こういう展開は、何が好きかを男性に勘違いさせるぞ!」

 私は彼女を抱えたまま、バスルームに手を伸ばし、壁に引っ掛けてあったボディブラシを取り上げた。

「あ! いや!」

 それを見て、次女は一層激しく脇から抜け出そうともがく。

 さすがに支えきれないので、私は脱衣場の洗面台に腰をかけ、彼女の上半身を乗せて安定を図った。

「さあ、いくつ引っ叩こうか」

「いやー! いやー! 許してぇ!」

 ボディブラシの背をお尻にピタピタ当てて振り返ると、鏡越しに次女の半ベソ顔が見える。

 大した利き目だ。

「男の一人住まいに平気で上がり込むだけでもはしたないというのに、自分から誘うような真似をして、軽々しいにも程があるぞ」

「好きな人以外にはしないわよ、そんなこと!」

 照れそうになるのを抑え、ボディブラシを振り下ろす。

 さっきまで使っていて、まだ水分を含んだブラシの背は、鋭い音を響かせた。

 次女の悲鳴も、平手の比ではない。

 あっという間にブラシの背の形に赤くなったお尻を見て、私はさすがに可哀想になった。

 あまり勢いがつかないように、ブラシの柄を短めに持ちかえる。

「好きな相手だからと、ろくに親交を深めない内に、簡単に体を渡すな。簡単に手に入るものだと思われたら、その後の進展に支障を来たすだろう」

「その後の進展って?」

 次女が期待に満ち満ちた顔で私を振り返っている。

 ため息。

 そこしか聞こえていないのか?

――――パーン!

「痛いー!」

「一般論だ、一般論! 大事にしてもらえなくなるぞと言っているんだ! 好きだったら、大事にしてもらいたいだろう?」

「そ、そうだけど・・・」

「安売りする女だと、思われたくないだろう?」

 鏡にシュンとしょ気返る次女が写っている。

「今度そんなことをしようとしたら、お尻が痛く感じるくらい、今日はたっぷりお仕置きだからな。覚悟しなさい」





 お尻を叩かれる間中、泣きじゃくっていた次女は、やっと終わったお仕置きにホッとしたのか泣き疲れたのか、しばらくはリビングのソファでうつ伏せに寝そべってお尻を擦っていたが、そのまま眠ってしまった。

 困った子だ。何が「ごめんなさい、もうしません」だって?

男性と二人きりで無防備に寝てしまうなど、お仕置きの意図が伝わっていないではないか。

 私だって男で、さっきはどうにか理性が勝ってくれたが、それは彼女がまだ少女の頃から知っていたからというだけで、普通に知り合った女性であったなら、本能が勝ってしまった可能性も否めない。

 私は寝室から毛布を持ってきて、次女にかけてやった。

 やれやれだ。

 涙で凝った頬に、髪がまとわりついている。

 それをそっと掻きあげてやり、私は子供のような彼女の寝顔を見ながら、傍らに座った。

  私はふと思い立って、机に置いたスケッチブックを取り上げると、次女の寝顔をスケッチした。

 描き始めて、はて?と思う。

 お仕置きに泣き疲れて眠る姿絵は、お仕置き画ということになるのだろうか?

 そうだとしたら、もう二度とお仕置き画は描かないと決めた私にとって、これが最後のお仕置き画ということになる。

 最後のお仕置き画が、自分がお仕置きした娘がモチーフとは、なんだか奇妙な気分だ。

 しかも、この寝顔だけの絵が展覧会で賞を取り、私を画壇に認められる画家にしようとは、この時は知る由もない。

 なんだか可愛かったから描いた。

 それだけなのだから。

 しばらくすると次女が目を覚ましたので、私は彼女を家に送りがてら、外食を共にした。

「また家に行ってもいい?」

「ダーメ。ホントに、お仕置きの利き目がないね。今度家に一人で来たら、有無を言わせずお尻を百叩きするからな」

「だってー! 会いたい時はどうしたらいいのよ!」

「電話しておいで。それから、待ち合わせて、こうして外で会えばいい。私が家に招きたくなるまで、ね」

 次女は不満げに聞いていたが、最後に付け加えた一言で、笑顔になった。

 まあ、この次女の懲りない性格上、私が忙しくて会えない日はこの提案が採用されず、その都度、お尻を真っ赤にされて追い出された。

 本当に、昔から我慢のない性格は変わらないのだから・・・。

 

 

 次女の寝顔を描いた絵を買いたいという人は大勢いたが、私は生涯、この絵を手元から離さなかった。

 この絵は今、私と妻の肖像画の横に飾られている。

 妻は時折、この寝顔の絵を見て、はにかんだような、それでいて、昔と変わらない悪戯な子供のような目を私に向ける。

  










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