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フォスター家【オルガ番外編】

登場人物紹介 第三弾【クラウン】

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登場人物紹介【クラウン】


『Crown(王冠)』でなく『Clown(道化師)』の方。
RとLです。
日本人が苦手な奴です。

置いといて。

【クラウン】現ローランド公爵。元フォスター領伯爵ペリドット家アーサー三世。

フォスターの父親です。
つまりがアーサー三世。
息子が赤子の頃はお定まりの「ジュニア」と呼んでいましたが、言葉を話し始めた折に自分のことを「あーしゃ」と舌っ足らずに言う姿に撃沈。
以来、三十路を間近の息子がどんなに訂正しようとも、嫌な顔をしようとも「アーシャ」と呼び続けている、愛息子が可愛くて仕方ないパパさん。

お仕えする王家と自分が父親から受け継いだフォスター伯爵家を守る為ならば、冷徹で非情にもなりますが、基本的には家族思いで友人思い。

自国王妃の妹姫、隣国第八王女のベアトリスに見初められてしまい、迷った末に結婚を決めて、王家との親戚筋である公爵号を叙位。

でも、暗躍に邪魔だからとフォスター伯爵号を名乗り続け、彼がローランド公爵であると現役時代に知っていた貴族は数える程・・・。
息子のフォスターですら、最近まで知りませんでした。

観察眼と洞察力に優れていますが、それは小心者の本性が培った、自分と自分の大事なものを守る術。

十七の時に出会い、自分の近侍となった一才年上のスフォールドに、絶大な信頼を置いていると同時に、兄のように慕い、親友として彼を見ています。

母親は自分を産んですぐ他界。
兄弟もなく、父と爺やが大好きでしたが・・・。
周囲が囁く声が聞こえます。
「ご高齢の当主が身罷られたら、残るはあの幼い坊ちゃまだけ。いくらなんでも、伯爵家を支えていくのは無理だろう・・・」
可愛がってはくれるけれど、不安を隠せない使用人たちの目。
絵本を読むふりで。
お絵かきするふりで。
ダンスやマナーのレッスンを受けるふりで。
小さなクラウンは、ずっとずっと、大人たちの声に聞き耳を立てて過ごしていました。

「ボクじゃ、ムリ。おとうさまのフォスターのおうちを、ボクじゃまもれない」

刷り込まれていく言葉。

「我が子が可愛いのはわかるけれど、旦那様も諦めて、遠縁であれ親戚筋から跡継ぎをご養子となされれば良いものを」

そうか。
そうか。
それが、最良の策。

お父様に諦めてもらえばいい。
みんなが不安にならないように、この子じゃダメだと、お父様がわかってくださればいい。

どうすればよいかしら?

そうだ。
いっぱい、いっぱい、いたずらしよう。
いっぱい、いっぱい、困らせよう。

そうすれば、「お前じゃ駄目だ」と、お父様が言うに違いない。

「アーサー! 悪さばかりして、この子は!」

悪さの代償は、父の膝の上に乗せられてのお尻叩き。
最初の頃は、痛いし恥ずかしいし、すぐに泣いて謝ってしまった。

ダメ。
これじゃ、ダメ。

お父様が大切に守ってきたフォスター伯爵家がなくなってしまうことに比べたら、痛くない!
お父様が大切に守ってきたフォスター伯爵家を失って、皆をがっかりさせることに比べたら、恥ずかしくない!

「もう~、父上ってば。いい加減、諦めてくださいよ~。伯爵なんかに不向きな僕の性根は、お尻ぺんぺんなんかでどうにもなりませんってば。痛い痛い痛い!」

増える軽口。体に染み付いていく、飄々とした仕草。

怒れ。
怒れ。
呆れろ。
呆れ果てて。

「ええい! お前など、跡継ぎになどできるものか!」

そう、言って。
言ってください。

なのに。

父は。
「アーサー。ごめんなさいは?」
爺やも。
「坊ちゃま、ごめんなさいは?」

・・・わかってくれない。

「お前が」
「あなたが」
フォスター伯爵家を継いで欲しい。

そう言う父と爺の言葉が嬉しい半面。

余計に怖い。

お願い。
お願いです。
期待なんてしないで。
僕はみんなが口々に「無理」と言った出来損ないの跡継ぎです。


ああ。
そう。
もういい。
わかった。

学校、嫌いじゃないけど。
勉強、嫌いじゃないけど。

これで、とどめだ。

さすがの父も爺やも、退学騒ぎまで発展すれば、諦めてくれるだろう。
認めてくれるだろう。
僕が、伯爵家の跡継ぎなどに不向きだと。

そう思ったのに。
なのに。
見事、無事、大学を退学という喜ばしい不名誉を飾ったその日に、出会ってしまった。

ポーカーフェイスの小言やと。

「お前は向いているよ」

血筋だからとか。
そうなるように生まれついたからだとか。

そういうことを一切言わずに。

「型にはめるのはもったいない」と。

道化師でいてもいいと言ってくれた。
道化師の仮面を外した姿を晒してくれて、嬉しいと言ってくれた。

ただ。
「クラウン、ごめんなさいは?」
「ごめんなさい・・・」
「口だけのごめんなさいが、私に通用するとでも?」
「~~~ぅ・・・」

学んできた渾身の笑顔も。
培った渾身の愛想も。
まるで通用せず。

「心からのごめんなさいを、お尻が腫れ上がる前に言えると良いねぇ?」

普段はポーカーフェイスのくせに、にっこりと微笑む小言やのお仕置きが、一番厳しい上に
効いてしまうクラウンであった。





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