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【  2016年10月  】 

第三十六話 別れの時

オルガ

2016.10.30 (Sun)

「一体どういうおつもりです」庭園のガーデンチェアでお茶を楽しむ父は、厳しい面持ちで傍らに立つ息子を見上げた。「何だい、アーシャ。突然、押しかけてきたと思ったら、怖い顔して」「ファビオをヴォルフから引き離したとモートンから聞きました。彼はヴォルフの為に雇い入れた小姓ですぞ」「そんな怖い顔しては駄目だよ~。いつも笑顔で。はい、笑って」 能天気なのは知っているが、もはやふざけているようにしか見えない父に...

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第三十五話 懐中時計の思い

オルガ

2016.10.29 (Sat)

 休暇中とはいえ、仕事はついて回る。 毎日、数十通は送られてくる手紙に目を通すのも、貴族の大事な仕事のひとつ。 領地からの陳情書あり、現行進めている公共事業の進捗あり、付き合いのある貴族からの御機嫌伺いあり・・・。 フォスターは列車の中で黙々と手紙を読んでいたが、ヴォルフは初めて楽しいと思えた田舎への長の旅路でそれを怠けていたので、王都から持ってきた分に加えて転送されてくるものもじわじわと増えて、...

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第三十四話 大人たちの画策

オルガ

2016.10.28 (Fri)

 料理どころか好物のデザートの味すらわからないような、散々な夕食。 それというのも、悪魔の囁きに耳を貸し放題にしている侯爵様が、日頃の仕返しをコース仕立てで振舞ってくれたお陰。 アミューズは季節の香る他愛ない世間話。 アントレは伯爵への褒め言葉を固めたテリーヌ。 濃厚な含み笑いのポタージュを経て、ポワソンは皮肉の酸味を効かせたソース仕立て。 敢えて少し自分を落として語る、口直しのグラニテ。 ヴィヤ...

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第三十三話 侯爵様の反抗期

オルガ

2016.10.25 (Tue)

 宮廷の出仕に同じ車で来て、同じ車で帰っていく侯爵と伯爵。 貴族議員同士があまり親密であるのもどうかと鼻白んでいた諸侯も、彼らが議会で意見がぶつかれば、とことんやり合う真剣な様を幾度も見ている内に、殊更問題視する者はいなくなっていた。 今や彼らの同乗出仕は名物のようなものだ。「そういえば今日、フィリップ伯爵がおかしなことを言っていた」 何かと目立つ二人なので、彼らの預かり知らぬ場で貴族たちの話題に...

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第三十二話 望まぬ形

オルガ

2016.10.24 (Mon)

「ああ、うん。これもいいのだけれど・・・」 スーツを着せ終えた主が、珍しく姿見の前で自分を眺めている。「あー、モートン。選んでくれたのに、申し訳ないのだが・・・あの、ほら、アッシュグレーのスーツがあったろう。あれが、いいかな」 執事が選んで準備して着せた服を変えて欲しいなどと、更に珍しい。「かしこまりました。では、タイは青みの濃いアスコットタイをご用意致しましょうか」「うん。いや、子供っぽくなるか...

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第三十一話 暴君ヴォルフ復活

オルガ

2016.10.23 (Sun)

 蟄居中はほかの貴族と接触することは禁じられている。 つまり、フォスターと会うことはできないし、手紙のやり取りもできない。 メッセンジャーになりうる互いに近しい使用人も行き来させられないので、モートンは監視役のワイラーを案内だけして、いつもすぐにフォスターのところに戻ってしまうし、ヴォルフは一日ごと、不満を募らせていた。「お茶がぬるい。淹れ直せ」 突き返されたティーカップを受け取ることなく、ファビ...

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第三十話 未熟の自覚

オルガ

2016.10.22 (Sat)

 「いらっしゃいませ、ワイラー卿。御足労いただき、恐縮でございます」 2日目の監視役訪問を出迎えたモートンは、彼の外套とステッキを預かって、控えていた従僕に手渡す。「どちらからご案内いたしましょう」「そうだね、ヴォルフ卿が高位ではあるが、やはり屋敷の主に先に挨拶するかね」「かしこまりました」 ワイラーを誘ってフォスターの部屋の前まで戻ったモートンは、ドアをノックしたが、応答がない。「旦那様、失礼致...

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モートンとご令嬢のこと。

あとがき

2016.10.20 (Thu)

ははは。走り過ぎにも程がありますね( ̄▽ ̄;)一昨日、オルガ本編の第29話を書いていて、フォスターがもし姫君だったら。。。というくだりを書いていて突然思いついたお話です。一話で終わらせようと思ったのに、やっぱりはみ出しちゃいました(;´д`)というわけで、前編・後編となった次第。しかも。アーサーが両親に何故「アーシャ」と呼ばれるのかのエピソードが、漏れておりました(;-ω-)なので、ここで説明する暴挙に出ます。...

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モートンとご令嬢【後編】

フォスター家【オルガ番外編】

2016.10.20 (Thu)

 どうしても食べたいとねだって聞かないので、仕方なしに残り少ない金で買い与えてやり、公園のベンチまで連れてきたのだが。 さて、どうしたものか・・・と、モートンはベンチに座った自分の隣で買い与えたカヌレをご機嫌で頬張っている令嬢を眺めていた。 この構図は、どう考えてもお菓子で釣って良家のご令嬢を拐(かどわ)かした誘拐犯。 あらぬ嫌疑をかけられる前に立ち去ってしまいたいのは山々なのだが、街中を一人でうろ...

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モートンとご令嬢【前編】

フォスター家【オルガ番外編】

2016.10.19 (Wed)

「ああ、スコールド。アーシャにお土産を買って帰りたいから、待ち時間の間に何か見繕ってきてくれないかね」 招待先であるヴォルフ邸で車を降りた主人が言った。 主人に外套を着せ終えた執事の『スフォールド』は、ステッキを差し出して顔をしかめた。「あまり甘やかすものではありません。お出かけについていくと愚図って手こずらせ、旦那様は大事なクラブの会合に遅刻なさったのでございますよ」「ああ、可愛かったねぇ。『お...

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