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【  2016年09月  】 

堕天朱雀昔話12

堕天朱雀昔話

2016.09.22 (Thu)

 そのマジシャンがマエストロと呼ばれるようになったのは、まだカリフォルニアの場末のショーパブの舞台に立っていた頃だ。 彼は燕尾服に身を包み、白い巻き毛のウィッグにマスカレードのけばけばしい仮面で顔のほとんどを覆い、ピアノが奏でるクラッシック演奏曲に合わせてタクトを振るスタイルで、マジックを披露した。 そのマジックは他のマジシャンと異なり、とにかく優雅に舞台を彩る。 舞台上どころか客席にまで、タクト...

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Another~朱雀の章・番外編~のこと

あとがき

2016.09.14 (Wed)

これにて、このお話は最終話です。というか、最終話でタイトル変更しちゃいました( ̄▽ ̄;) 前からタイトル変えたいなーとは、思ってたんですけどね。書き始めの頃は、あんまり深く考えて書いていなかったもので・・・。(じゃあ、今深く考えているのかといえば、そうでもないですが)最初は物語の視点が定まってなかったんですよね。視点がないと書きにくいので、アイフェンにしてみた。そしたら、これはラ・ヴィアン・ローズの番...

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Another12~朱雀の章・番外編~【最終話】

ラ・ヴィアン・ローズ&朱雀の章 番外編

2016.09.14 (Wed)

 ずっと父に聞きたかった。 どうして? どうして手を振り払ったの?  どうして、僕を置いていったの? どうして、僕を捨てたの?  聞きたかった。けれど、聞くのが怖かった。 これが、父に偽物の記憶を刷り込んだ、もう一つの理由。「お前が生まれたせいで」 そんな言葉を、聞きたくなかった。 黙ったまま外した仮面を手の中で弄ぶアイフェンの背中に、マジェスティーの手が触れた。「・・・お前を連れて行ったら、連合...

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Another11~朱雀の章・番外編~

ラ・ヴィアン・ローズ&朱雀の章 番外編

2016.09.13 (Tue)

  ほつれ始めた、マジェスティーの・・・いや、高城 善積としての記憶。そうとわかっていても、アイフェンは嘘を塗り固めるしか手立てがなかった。「しっかりしなさい。お前は、姫さまの父親だろう?」 マジェスティーは押し黙り、ベッドにしがみつくように寝転がった。「こら、そこは私のベッドだろ。お前の寝床は、あっちの入院ベッドにシーツを掛けてあるから・・・」「ここがいい。お前はソファ」 アイフェンは苦笑を浮か...

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堕天朱雀昔話11

堕天朱雀昔話

2016.09.11 (Sun)

 その頃のアニトー・ベゼテの心の機微を思いやって、もう40歳になったマジェスティーなら、胸を痛めることもできた。「私より年長とはいえ、アイツはまだ15だったものな。なのに、私ときたら・・・」 当時の自分を反芻し、自嘲めいて額を押さえるマジェスティーの頬を、アイフェンが突いた。「仕方あるまい。お前はまだ13で、自分のことで精一杯の子供だった。そもそも、アニトー・ベゼテはお前に同情して欲しいとも一緒に泣いて...

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Another10~朱雀の章・番外編~

ラ・ヴィアン・ローズ&朱雀の章 番外編

2016.09.10 (Sat)

「じゃ、朱煌」 頬に添えられた高城の手の平の温もりを味わうように、朱煌は目を瞑っている。「日本で待ってるから。好きなだけ、ここにいなさい」「・・・はい」 姫君のこんな素直な良い返事を、マジェスティー以下ラ・ヴィアン・ローズの古参たちは、聞いたことがない。 なんだか妬けるが、おそらくこれが、彼らの望んでいた「紅蓮朱雀の幸せ」なのだ。 専用機のタラップを登り始めた高城は、一度も振り返らなかった。 離陸...

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堕天朱雀昔話10

堕天朱雀昔話

2016.09.07 (Wed)

 この頃のアイフェンはすでに25歳。 レジデントとして地元の大きな病院に勤務していた。 当番日は帰れないが、そのほかの日は割り当てられた仕事さえ済ませればビジネスタイムで帰れるので、子供たちの世話もできてありがたい。 給料はまだまだ安いので、夜中のアルバイトも並行している。 なにせ、育ち盛りの子供が6人ともなると、何かと物入りなのだ。 夕飯が済むと、子供たちは一斉にテレビの前に大移動。「お前たち、宿...

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Another9~朱雀の章 番外編~

ラ・ヴィアン・ローズ&朱雀の章 番外編

2016.09.02 (Fri)

 レーヌに案内された瞳子の部屋のドアを、黒荻は静かにノックした。「レーヌ? ごめんなさい、気分が優れないの。一人にしておいてくれるかしら」「僕だよ、開けてくれないか、瞳子さん」「え・・・?」 この本陣で知りえない声に、瞳子は驚いたようにドアを開けた。「刃くん? 刃くんよね?」「そうだよ。久しぶりだね」「まあ、まあ、なんて立派になって・・・」 十数年振りの再会に目を輝かせた瞳子だったが、すぐにその表...

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堕天朱雀昔話9

堕天朱雀昔話

2016.09.01 (Thu)

 すっかり昔話談話室と化していた執務室のドアに、ノックが響いた。「入れ」 ドアを開けて入ってきたのは、ラ・ヴィアン・ローズ最古参のアニトー・ベゼテだった。「失礼します。おや、閣下方、お揃いでしたか。ちょうど良かった。第5艦隊の巡洋艦の機銃砲入れ替えの件、ご再考願いたいのです」 執務デスクに戻ったマジェスティーが、少しうんざりしたように肩をすくめた。「その件なら、先日の会議で白紙になったはずだ」「で...

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Another8~朱雀の章・番外編~

ラ・ヴィアン・ローズ&朱雀の章 番外編

2016.09.01 (Thu)

「どうしたもんかな・・・」 勢いで逃げ出したはいいが、帰るに帰れないではないか。 窓からそっと中を覗うと、氷のうを頬に当てた高城が、クロスと話しているのが見えた。 時々、顔をしかめて口端を指で撫でている。「~~~えい、クソ!」 午前中に嫌というほど苦い薬を処方されたばかりなので、あの巨体の薬剤師には近付きたくないのだが、医者の本分が疼くのだ。 窓から戻ってきたアイフェンを、クロスがため息交じりに肩...

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