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【  2016年09月  】 

第十五話 初恋の結末

オルガ

2016.09.30 (Fri)

 出納帳と幾枚もの借用書を入念に照らし合わせた結果、使途不明の借り入れは、およそ三年前から始まっていた。「こちらが使途不明金の借用書の推移でございます」 モートンが作成した推移表に目を通し、フォスターは顎を撫でた。「・・・これらはヴォルフ家執事が当主名代として銀行から借りつけたものに、間違いはないのかね?」「はい、銀行側にも確認致しました」「ふむ・・・。モートン、先程の歴代執事名簿を」 差し出され...

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第十四話 縁と歩む道

オルガ

2016.09.29 (Thu)

「ふぉすた! ヴォルフ! おかえりなさぁい!」 モートンの隣から駆け出す、この嬉しさが溢れ出るようなお出迎えは、毎回癒される。 ただ、走ってきて抱きつく相手は、ほぼヴォルフなのが切ないが・・・。 やはり今日も、オルガが一直線に向かったのはヴォルフである。 傍らを素通りしていく姿にフォスターの溜息が漏れた時、背後でバシンと音がして驚いて振り返ると、ヴォルフに頬をぶたれてよろめくオルガ。 咄嗟に伸ばし...

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第十三話 国王と陳情書

オルガ

2016.09.28 (Wed)

 こういう時、やはり伯爵家と侯爵家の身分の違いを感じる。 伯爵家からの謁見願であれば数ヶ月は順番待ちとなるが、この度のヴォルフ侯爵家からの謁見願が叶ったのは、わずか半月後。 少々油断した・・・。 本当なら国王に謁見するまでに、もう少しヴォルフ領の手当ての方策を具体化しておきたかったのに。 毎日のようにモートンと話し合ってはいたのだが、どれが最善の策か迷うばかりなのだ。 長年ヴォルフ家を領主と仰いで...

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第十二話 割れた皿

オルガ

2016.09.27 (Tue)

「モートン、試算の結果は」「は、今後、農地が通年通りの収穫高を確保できる見込みは早くとも10年後。その間に膨らんだ利子すら、賄えそうにございません」「・・・そうか」「今回の援助金の借入だけなら、まだ見通しも立ったのですが、何しろ、この数年で横領された元金が足を引っ張りますな」 ヴォルフ領の地図をテーブルに広げ、額を付き合わせたフォスターとモートンのやり取りを、ヴォルフは上座の執務椅子から眺めていた。...

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第十一話 許しの心

オルガ

2016.09.22 (Thu)

 ヴォルフはぼんやりと執務室の天井を眺めていた。 足元に裸のオルガがコロコロと転がっていたのでチョンと足でつついてみると、きゃっきゃっと笑うオルガの声が心地いい。 先のことなど何も考えず、ずっとこんな時間の中にいられたらいいのにと思うのに、ノックの音に邪魔されて、ヴォルフは眉をしかめた。「何だ、うるさいぞ」「旦那様、フォスター伯爵がお見えになりました」 その名を聞いて、オルガはぴょこんと執務机の下...

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堕天朱雀昔話12

堕天朱雀昔話

2016.09.22 (Thu)

 そのマジシャンがマエストロと呼ばれるようになったのは、まだカリフォルニアの場末のショーパブの舞台に立っていた頃だ。 彼は燕尾服に身を包み、白い巻き毛のウィッグにマスカレードのけばけばしい仮面で顔のほとんどを覆い、ピアノが奏でるクラッシック演奏曲に合わせてタクトを振るスタイルで、マジックを披露した。 そのマジックは他のマジシャンと異なり、とにかく優雅に舞台を彩る。 舞台上どころか客席にまで、タクト...

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第十話 天の采配

オルガ

2016.09.19 (Mon)

 招待状が届く度、ヴォルフはとても嬉しそうに、フォスター伯爵家の蝋封を見つめていた。 そんなヴォルフを、床に寝転がって眺めるオルガ。 相変わらず裸だが、首輪はない。 裸でいれば、寂しそうにしているヴォルフにいつだって体温を感じさせてあげられる、フォスターに言わせれば、的の外れた気遣いだったが。 これしか、オルガはやり方を知らない。 ヴォルフという寂しい人を、慰める手立て。 オルガとて、ここに来たば...

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第九話 少女が懸けた橋

オルガ

2016.09.18 (Sun)

 錠が回る音がして、ドアが開いた。「旦那様、ご夕食の準備が整いましてございます」 つまり、お茶の時間の軽食抜きの罰も加えられたフォスターはお腹を擦りつつ、手にしていたケインとモートンの顔を見比べて、深く息をついた。「ん」「なんでございましょう」 差し出されたケインに、モートンが白々しく首を傾げる。 主の行動の意味などお見通しのくせに、これはこれで腹が立つ。「お前が正しかったという結論に達した」「は...

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第八話 思いと思慮と思惑

オルガ

2016.09.18 (Sun)

「救う? ヴォルフを?」 モートンがお茶を運んできた。 テーブルに置かれた白磁と瑠璃のティーカップに注がれる紅茶を、フォスターは黙って見つめながら問うた。「私が、何故?」「オルガを、ヴォルフ様の元から連れ戻してくださるだけで良いのです。でなければ、あの方はまた、平民の娘を飼育するという悦びに目覚めておしまいになる」 そう、かもしれない。 以前のままの従順なオルガであれば、すぐにでも飽きてしまうだろ...

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Another~朱雀の章・番外編~のこと

あとがき

2016.09.14 (Wed)

これにて、このお話は最終話です。というか、最終話でタイトル変更しちゃいました( ̄▽ ̄;) 前からタイトル変えたいなーとは、思ってたんですけどね。書き始めの頃は、あんまり深く考えて書いていなかったもので・・・。(じゃあ、今深く考えているのかといえば、そうでもないですが)最初は物語の視点が定まってなかったんですよね。視点がないと書きにくいので、アイフェンにしてみた。そしたら、これはラ・ヴィアン・ローズの番...

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